>>322
去年の記事だが。奥さん赤木雅子さん

その前を通りかかった時、図ったようなタイミングで向かいから望月記者が歩いてきた。その姿に気づいた雅子さんはすーっと近づいていった。私はそばにいない方がいいだろうと考えて離れていた。玄関前の階段で雅子さんは「望月さん」と声をかけた。すると望月記者はさっとあたりを見回し「きゃあっ」と声を上げて、社内へ駆け込んでいった。

 表のガラス窓には、デジタルサイネージというディスプレイでドラマ「新聞記者」の広告が流れていた。「撮影協力:東京新聞」「(ドラマの舞台の)東都新聞のロケ地は東京新聞」という文字が映し出される。そのドラマの話を持ち掛けた望月記者は、雅子さんに声をかけられただけで走り去った。雅子さんは呆然とした顔つきでつぶやいた。

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