千葉県いすみ市は4月から、子宮頸(けい)がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンを男性が接種する際の費用を全額助成する。男性の接種に対する補助は県内で初めて。2023年度の一般会計当初予算案に盛り込み、28日開会の定例市議会に提案する。

 市によると、子宮頸がんの原因の多くを占めるHPVは、性行為で感染する。感染予防にはワクチン接種が有効とされ、女性は法律に基づき、中学1年生で公費で接種できる。

 一方、男性は任意で、自己負担になる。3回の接種で約5万円かかるという。市内の医師らから、「感染を防ぐには男性の接種も必要」と指摘があり、市独自で助成することにした。

 対象者は市内の小学6年から高校1年の男子で約630人。当初予算案の予算額は5人分の接種費用にあたる約25万円だが、接種状況に応じて増やす。

 市の担当者は「すぐに効果が分かるものではないが、10年後、20年後に発病率が変わってくるのではないか」と話している。

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