暮れの新幹線。相当の混雑なので指定車両に移ってみた。ここも満席だったが、 ふと見ると、座席に高そうなノートパソコンが置いてあり横にマウス。隣に若い男性が座っていた。早速「ここ空いてますか」と尋ねてみた。すると、その男性は、「グリーン車2席を1人で使えるきっぷを買ってあります」と答えた。私は虚を突かれた思いがした。

改めて車内を見渡すと多くの立っている大人の中、母親の隣で17歳ぐらいの高校生男子が座っている座席もある。あれも指定切符を買ってあるのだろう。

仕方なくいっぱいの自由席に戻ると、ここにも還暦前と思われる男性が中年女性の隣に座っていた。懲りもせずにまた「ここ空いてますか」と尋ねると、男性は「空いてないのは見ればわかるだろう?」と怒鳴りつけてきた。
私はその座席を奪うのは無理だと感じながら、この新幹線には優先席がないことに絶望した。