※2/27(月) 17:01配信
時事通信

 男が小学生に「雨が降ってるからこの傘使いな」と声を掛ける事案が発生―。2023年1月、九州地方で発信された防犯情報メールがSNS上で物議を醸した。「傘を貸しただけなのに」「不審者扱いされるなら助けないほうがいい」。声掛けをめぐる防犯情報が取り沙汰されるのは、これに限った話ではない。地域の見守りに何が起きているのか。取材を進めると、防犯と道徳のはざまで揺れる大人たちの姿が浮かび上がってきた。

◆本当に不審者か 「判断は難しい」

 この「不審者事案」が発生したのは、23年1月下旬の朝。防犯情報メールによると、黒い車に乗った年齢40~50歳くらいのサングラスを掛けた男が、登校中の男子児童らに声を掛けた。ただの親切だったのか、本当に不審者だったのか。児童らが通う小学校側に取材すると、教頭が慎重に言葉を選びながら、経緯を説明した。

 教頭によると、児童の1人が男の申し出を断り切れずに傘を受け取り、保護者から相談を受けた担任教諭が「心配なら警察に話を聞いてもらったらどうか」と伝えたところ、冒頭のメールが発信されたという。教頭は「傘を貸した人物が不審者だったのかどうかは分からない。子どもが判断するのはとても難しいし、学校も決め付けることはできない」と話す。

 教頭は仕事柄、送られてくるメールに注意を払っているが、中には「本当に不審者だったのだろうか」と感じるものもあるという。「ただ、何も対応せずにいて、もし本当に不審者だったらと考えると…」。いったん言葉を切り、こう続けた。「不審者に気を付けようという意識は、家庭でも学校でも高まっています。一方、道徳の授業では『知らない人には親切に』と教える。不審者と親切な人をどこで区切るのか、われわれ学校側も伝えきれずにいるんです」

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