6年前、警視庁に逮捕され東京地方検察庁で取り調べを受けたあとに死亡した当時39歳のネパール国籍の男性について、遺族が「警察や検察に不適切な方法で身体拘束などをされたためだ」と主張して都や国に賠償を求めていた裁判で、東京地方裁判所は警視庁の担当者の対応に過失があったと認め、都におよそ100万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。

6年前、他人名義のクレジットカードを所持していたとして占有離脱物横領の疑いで警視庁に逮捕された当時39歳のネパール国籍の男性は、東京地検で取り調べを受けている最中に意識を失い、その後、病院で死亡しました。

男性は、警察署に留置されていた際、体を拘束するための「戒具」と呼ばれるベルトやロープなどの道具で両手や両足を締めつけられたということで、妻が「警察や検察の対応に問題があった」と主張して、都と国に合わせておよそ6000万円の賠償を求めました。

17日の判決で東京地方裁判所の福田千恵子裁判長は、男性の抵抗を抑えるために戒具を使ったことは違法ではないと判断しました。

一方で、「拘束を外したときには手首から先が赤黒くふくれるなど血流が妨げられていることが外見上明らかで、適切な治療を受けさせるべきだった。速やかに病院に搬送していれば死亡は避けられた」として警視庁の担当者の対応に過失があったと認めました。

そのうえで、賠償額について「ネパールの法律が定める範囲に収めるべきだ」として、都に対し100万円余りの賠償を命じる判決を言い渡しました。

判決について警視庁訟務課の小松秀樹課長は「判決内容を精査した上で今後の対応を決めます」とコメントしています。


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日本放送協会 2023年3月17日 20時40分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230317/k10014011371000.html