【視点】駐屯地開設 安全守る画期的一歩
2023/3/18
https://yaeyama-nippo.co.jp/archives/20490

陸上自衛隊石垣駐屯地が16日発足した。八重山の島々と住民の安心安全を守る上で画期的な一歩であり、八重山住民として高く評価する。沖縄・八重山を取り巻く国際情勢の緊迫化を考えると、ここに至る歩みは遅すぎたほどだった。

台湾に近い国境の島である与那国島では、かつて県警の駐在員がいるだけで、他国からの侵入者やテロに対応できる状況では到底なかった。

そうした状況が戦後70年放置された。国境に対する日本の防衛意識は、それほど薄かった。

現在では与那国島に陸自の沿岸監視隊が配備され、今後は実力部隊が追加派遣される計画もある。「国が責任を持って離島住民を守る」という当然の責務に政府が気づいたのは、つい最近のことなのである。

尖閣諸島を抱える石垣市も「国境のまち」だ。尖閣諸島を抱えながら、これまで確固とした守りの体制が築かれていなかった。石垣市への陸自配備の打診があったのは2015年で、もう8年近く経過している。

この間、中国は軍事力を急速に拡大し、尖閣諸島周辺での領海侵入を常態化させ、沖縄周辺の太平洋上で空母を使った戦闘機の訓練を展開。台湾だけでなく沖縄・八重山にも公然と軍事力による威嚇を加えている。