ロシアが侵攻するウクライナ東部ドネツク州の激戦地バフムトの戦況について、米シンクタンク「戦争研究所」は28日、ロシアが市内の約65%を制圧したとの分析を明らかにした。ロシアの民間軍事会社ワグネルが市北部の工業地帯を占領し、中心部や西部に向けて少しずつ前進しているという。

 バフムトは州内の主要都市への幹線道路が交差する要衝で、半年以上にわたり激戦が続いている。ウクライナのゼレンスキー大統領は28日、AP通信のインタビューで、バフムトが陥落すればロシアが「勝利」をアピールし、ウクライナに妥協を迫ってくると指摘し、徹底抗戦の必要性を強調した。

 一方、ウクライナのレズニコフ国防相は27日、エストニア公共放送のインタビューで、西側が供与しているドイツ製主力戦車「レオパルト」について「軍の決定に従い、反転攻勢に使用される。すでに複数の方面で計画がある」と語り、戦線への投入は「4~5月になる」との見通しを明らかにした。

 ウクライナでは春先、地面がぬかるみ戦車の進行が難しくなるため、路面が固まってから大規模攻勢をかけるという。また、ロシア軍の戦闘機が射程の長いミサイルを装備しているとして、「ウクライナにも最新鋭の戦闘機が必要だ」と改めて空軍への支援を求めた。


毎日新聞 2023/3/30 04:51
https://mainichi.jp/articles/20230330/k00/00m/030/002000c