「targeted community(標的にされた地域社会)」と「危機管理としての人文学」
https://www.shudo-u.ac.jp/research/doors/furukawa.html

2020年、国連の人権機関(OHCHR)では「拷問等禁止条約」を背景として、拷問・虐待に関する意見募集が行われました。

その結果、世界各地に蔓延する「ギャングストーキング」についての情報が多数寄せられ、精神上・身体上の深刻な被害の実態が浮かび上がってきました。

「ギャングストーキング」とは、集団で一人の人間を対象に様々な嫌がらせを行う拷問・虐待的犯罪の一種で、「コミュニティーストーキング」「オーガナイズドストーキング」とも呼ばれます。

その嫌がらせ行為は狭義のストーキングに収まらず多岐に渡るため、総称的に「targeted individual(標的にされた個人)」とも呼ばれます。

最終的に被害者は死に至ることもあります。私はこの犯罪行為の抑止と被害者救済に資するという目的に向けて「プラクシスの美学」の視点から研究を行っています。

私の研究の特徴は被害者側の視点に立つだけではなく、加担者側のマインドや社会への悪影響を焦点化する点にあります。
それゆえ「targeted community(標的にされた地域社会)」および「危機管理としての人文学」という概念を提唱したいと考えています。
研究の手法は大きく三段階に分かれます。1)実態把握のための情報の収集と分析、2)原因究明に関する先行研究の分析考察、3)問題解決に向けた「プラクシスの美学」からの考察です。