朝日新聞 2023/4/16 6:30
https://www.asahi.com/articles/ASR4H4JPFR4CUTIL03F.html

子どもによる、子どものための小さな「まち」が3月25日から4月1日、東京都豊島区に出現した。
段ボールなどでできた「店」や「会社」を作った上で、小中学生が働いて稼いで、買い物をする――。都内各地から延べ1千人以上の子どもが集まり、楽しんだ。

「アクセサリーはいりませんか」「一番売れているのは、革のバッグです。いかがですか」。

1日、豊島区の南長崎はらっぱ公園に、子どもたちの声が響いた。粘土アクセサリーなどが並ぶ「デパート」や、洗濯のりなどを混ぜ合わせたスライムが作れる「スライムランド」など、隣接するビル内を含め、約15の「店」が並んだ。

今回で7回目となる「こどものまち」。賛同者らでつくる「PLAY―WORK実行委員会」が開く。流通する通貨は独自の「diy」。店員も客も、小中学生だけだ。
見守りのために大人もいるが、「精霊」と位置づけられているという。

仕組みはこうだ。

参加費1千円を払って入場。まちの「ハローワーク」で仕事を紹介してもらい、仕事に就く。1時間で10diyが支払われ、うち20%が「税金」として差し引かれる。稼いだお金で、まちの中で自分の好きなものを買ったり、プログラミングゲームを作って遊んだりできる。

小学2年の男児は初めて訪れた。なかなか母親から離れられないでいると、その姿を見た小学6年の女児が話しかけた。
「遊び方、分かる? 一緒にハローワークに行こうか。そうするとね、工作のお仕事とかができるんだよ」


豊島区内の小学校に通う加藤凛(りん)さん(2年)は「子どもだけで街をつくるって面白そう」と参加した。
「知らない子がたくさんいて緊張したけれど、一人二人と友達ができて一緒にお仕事をしたり、ご飯を食べたりして楽しかった」と話した。

仕組みを熟知した子どもによる「起業」も。今年は「強盗用銀行」ができた。
建物を作るため、のこぎりを手にしていた男の子は「強盗用銀行があれば、普通の銀行の強盗をしないかな、って思って」


「こどものまち」は1979年、国際児童年を記念してドイツ・ミュンヘンで行われた「ミニ・ミュンヘン」が発祥とされる。豊島区での「こどものまち」は、これを参考に、2015年に初めて開かれた。

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