※5/1(月) 10:02配信
47NEWS

  「魚市場の冷蔵庫に隠していた被害者の遺体を、大型の機械でばらばらにし、焼却炉で燃やした」。2022年末、さいたま地裁で開かれた刑事事件の公判で語られたのは、ショッキングな遺体の「処理」方法だった。公判を取材した私は当時入社1年目で、正直に言って裁判の傍聴も初めて。残酷な殺害と遺棄の手口、おえつしながら「息子を返せ!」と叫ぶ遺族、そして凄惨な結果とどうしても釣り合いが取れない〝ささいな〟動機。この事件は決して新聞で大きく取り上げられたわけではなく、読者の目に触れることも少なかったと思われる。そんな事件でも、法廷ではさまざまな思いが渦巻き、感情を大きく揺さぶられることを実感させられた。裁判を振り返りたい。

 ▽「遺体なき殺人」だったが…

 事件が起きたのは2016年3月。埼玉県川口市のハワイアンバーで、店員の男性が55歳の被告とバーの経営者らから暴行を受け、殺害された。被告らが埼玉県警に逮捕されたのは21年になってから。バーの経営者はその後、川口警察署の留置場で死亡した状態で見つかり、被告だけが殺人罪で起訴された。逮捕まで5年もかかった一因に、遺体が発見されなかった点が挙げられる。事件は「遺体なき殺人」として公判を迎えることになった。

 ▽大型の解体機で遺体を切断

 2022年11月の初公判に現れた被告は丸刈りで、マスクにトレーナーとズボン姿。裁判官に罪を認めるか問われると、「いきすぎた暴行はあった」と暴行を認めた一方で、殺意は否認した。

 検察官は法廷で、事件のきっかけを説明していく。「バーの客の財布を盗んだのではないかと被害者が疑われたこと」「被害者は被告の娘の交際相手だった。交際が終わった後も、娘名義の携帯電話を使っていた」。殺害方法については、ロープで手足などを縛り、首を踏み付けたと述べた。

 その遺体はどこに消えたのか。検察官は手元の資料を読み上げた。「魚市場の倉庫で冷凍。バンドソーと呼ばれる大型の解体機を使って解体し、焼却炉で燃やした」。身元がわかる指紋などは小さく切断したという。

 ▽とても食事に行く気になれない

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