国土交通省香川河川国道事務所(高松市)が、ドローン(無人航空機)で道路を撮影した動画をツイッターに投稿したところ
「法令違反では」との指摘が相次ぎ、急きょ削除する事態となった。
ドローン飛行の所管省庁は同じ国交省であり、ドローン操縦者らから「事前チェックはしなかったのか」
などと疑問の声が上がっている。航空法などに抵触する恐れがあるとして、国交省大阪航空局が投稿の経緯を調べている。

 問題の動画は香川県三豊市の国道11号が一部区間で4車線化されたこと
を伝えるもので、1・3キロの道路をドローンで上空から撮影。真下を一般車両が通行する様子も映っていた。

 ドローン関連の法令に詳しい「Re:フライトコンサルティング」(愛知県江南市)の尾関健代表によると
一般車両が走行している道路の上空では通常、ドローンを飛ばすことができない。「映像を見る限り、なぜ飛行できるのか疑問だ。
(ドローンの飛行場所などを定めた)航空法132条などに触れているのではないか」と指摘した。

 香川河川国道事務所によると、工事監督を補助していた高松市内の業者に依頼して4月26日に撮影。
翌27日にツイッターに投稿したところ、ドローン撮影を行っている別の会社から問い合わせがあった。
ツイッター上でも「この動画は問題があるのでは」との指摘が相次いだため、同日夜に削除した。4月16日に投稿した類似の動画も削除された。

 国道事務所の担当者は取材に「問題ないと思い動画を上げており、(法令順守に対する)認識不足だった。大変遺憾だ」と話した。

 国道事務所から相談を受けた担当部局の大阪航空局運航課は「現在、事実関係を確認中」と説明。
撮影した業者の担当者は「国交省が確認中なのでお答えできない」と話している。【川瀬慎一朗】

毎日新聞 2023/5/3 04:00
https://mainichi.jp/articles/20230502/k00/00m/040/350000c