5/3(水) 20:07配信
朝日新聞デジタル

 憲法記念日の3日、護憲派と改憲派がそれぞれ集会を開いた。

 東京都江東区の東京臨海広域防災公園では、各地で「九条の会」などをつくる市民らが「あらたな戦前にさせない!守ろう平和といのちとくらし2023憲法大集会」と題するイベントを開いた。主催者発表で約2万5千人が参加し、憲法を守ろうと訴えた。

 憲法学が専門の室蘭工業大の清末愛砂(あいさ)教授は、政府が2023年度から5年間の防衛費を計43兆円とする計画を決めたことに触れ、「物価上昇で厳しい生活を強いられているという切実な声がある。防衛費の財源確保を優先し、立憲主義の核のひとつである公平な分配が否定されている」と指摘。さらに「憲法9条を無視し、軍事的優位性を確保することを『防衛』の名の下で正当化するものだ」と訴えた。

 集会では、「憲法9条を掲げ、世界の市民とともに反戦・平和のたたかいに全力を挙げて取り組む」などとする宣言も読み上げられた。野党幹部らも登壇し、反戦や護憲を訴えた。

 千代田区では「美しい日本の憲法をつくる国民の会」などが「公開憲法フォーラム」を開いた。会場には約800人が集まり、全国20会場で中継。主催者によると、計約2万人が視聴した。

 主催者の声明文では、憲法への「国防条項と緊急事態条項の明記」を掲げた。憲法への自衛隊明記などを含む国防条項について、岩田清文・元陸上幕僚長は「自衛官は服務の宣誓で命を賭して国を守ると誓うが、自衛隊を違憲とする憲法学者や政党もおり、世論を二分するあいまいな立場にある。命をかけろというなら、国の最高法規に自衛隊が位置づけられ、誰が読んでも自衛隊が合憲となるよう改正を」と要望した。戦力不保持や交戦権否認を定めた憲法9条2項の削除を求めた。

 自民、公明、維新、国民民主の国会議員も参加。大規模災害や武力攻撃などが起きた際の対応を憲法に規定する緊急事態条項をめぐり、議員の任期延長などを求める発言が相次いだ。(米田優人、編集委員・北野隆一)

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