障害者が職場などで身に付けた技を競う第10回国際アビリンピックフランス大会に日本代表として出場し、歯科技工部門で見事金メダルに輝いた上尾市の中川直樹さん(37)。
「15年かけて苦労してとった金メダル。最高です」と喜びを語った。

国際アビリンピックは、4年に1度行われる障害者技能競技大会。
今年3月、26カ国・地域から440人が参加しフランス・メッスで開催された。

《中略》

歯科技工部門の競技は、2日間にわたって計6時間行われ、石こう製の上下顎模型を使って入れ歯を製作するなどの課題を競う。
「ふだん使っている日本のものと違う素材を、その場で初めて使わなければならないので難しかった。臨機応変にできたのが良かった」と振り返る。

中川さんは、1歳の時に聴覚障害が分かり、小中学校は普通学級に通学。
その後、筑波大付属ろう学校の歯科技工士科へ進み、歯科技工士の国家資格を取得した。
さらに鶴見大学の歯科技工研修科で歯科彫刻も学んだ。「彫刻がうまくなると仕事もうまくなった」という。

歯科技工士として社会に出た後は、朝早くから深夜まで仕事をした。
「つらくても、努力は必ず報われると信じた。モノづくりは好きだったので、向いているとは思った」と中川さん。

初めてアビリンピックに参加した08年の千葉大会の後、当時の職場の関係などで長い間不参加だった。
9年ぶりに出場した17年の栃木大会で銀賞を獲得。
翌年の沖縄大会で念願の世界大会への切符を手にした。「頑張って技術を磨いてきて良かった。世界の舞台に立てることが、本当にうれしかった」

《中略》

中川さんは金メダルとともに寄せ書きがされた国旗も持参。
「目標だった国際大会で、貴重な体験と思い出ができた。職場や協会の人たちにたくさん応援してもらったおかげ。世界の人たちと接して、技術だけではなく、人間性を磨くことも大切だと思った。これからも患者さんに喜んでもらえるような技工物を作りたい」と語った。

全文、画像はソース元でご覧ください
努力は必ず報われる…15年越しの金メダル 上尾の歯科技工士・中川さん 初出場の国際アビリンピックでV
埼玉新聞|2023/05/23/10:51
https://www.saitama-np.co.jp/articles/28047/postDetail

※関連ソース
⬜︎厚生労働省|第10回国際アビリンピック(フランス・メッス大会)での日本選手団の成績を公表します
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32059.html
抜粋
■国際アビリンピックとは
第1回 国際アビリンピックは、国連で定めた「国際障害者年」である1981年(昭和56年)に東京で開催されました。以降、おおむね4年ごとに世界各都市で開催され、日本は第9回国際アビリンピックまでに437名の選手を派遣しています。