蘭方医の娘である只野真葛の著『むかしばなし』(文化九年)に拠ると、
親戚に多くの大名家に出入りする医師がいたが、大名の子息を評して――

  何でもおれが出入せぬ大名もないが、どこの若殿を見ても
  是が成人したらよいばかだろうと思様な児斗有(こばかりあり)。

どの大名家を見ても、「将来は馬鹿殿さまだろうな」 という男の子ばかりだ、と。
屋敷内の内々の会話とはいえ、当時としては思い切った発言であろう。


変わらんな