https://news.yahoo.co.jp/articles/d77352c3711b870463850189b4703542630ee563

領土奪還を目指し、反転攻勢を進めるウクライナ陸軍は11日、東部ドネツク州南西部ベリカノボシルカから約5キロ・メートルの集落をロシア軍から奪還したと発表した。大規模反転攻勢の開始後、集落の奪還を発表したのは初めて。ウクライナの反攻失敗を主張する露側の情報戦に対抗する意図もあるとみられる。

ウクライナ軍は4日、南部ザポリージャ州との州境に近いベリカノボシルカ南方約100キロ・メートルの港湾都市マリウポリを目指して攻勢を開始した。11日に奪還した集落は、マリウポリにつながる幹線道路沿いにある。

 南部ザポリージャ州の露側「幹部」は11日、露軍が近くの別の集落からも後方への撤退を余儀なくされたとSNSで明らかにした。

 この「幹部」は10日、ウクライナ軍が7日に攻勢を始めたザポリージャ州オリヒウの南方約10キロ・メートル付近でも激しい戦闘が展開されていると指摘している。ウクライナ軍は露軍の激しい抵抗を受けながら前進を始めた模様だ。

 ウクライナ軍の報道官は10日、地元テレビで、露軍が「全域制圧」を宣言していたドネツク州の要衝バフムト周辺で、過去24時間に「約1400メートル進軍した」と宣言した。

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は10日、「反転攻勢と防衛行動がウクライナで起きている」と述べ、大規模反攻の着手を初めて認めた。国民には、露側が発信する情報を信用しないよう呼びかけていた。