「認知症発症リスク低下に帯状疱疹ワクチンが役立つ」という研究結果がネイチャーに取り上げられる、専門家たちの見解は?
Gigazin2023年06月13日 06時00分サイエンス
https://gigazine.net/news/20230613-herpes-zoster-vaccination-dementia-nature/
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2023年5月に「帯状疱疹(ほうしん)ワクチンが認知症の予防に効果的である証拠を見つけた」という内容の未査読論文が公開されました。
この論文が大手学術誌「ネイチャー」のニュースに取り上げられています。

(略)

分析の結果、ワクチン接種施策の対象となった「1933年9月2日より後に生まれた人」は
対象外の「1933年9月2日より前に生まれた人」よりも認知症発症率が有意に低いことが明らかになりました。

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ネイチャーから意見を求められたハーバード大学のアルベルト・アシェリオ教授は
「(この研究結果が)もし本当なら、それは非常に重大なことです。(認知症は)リスクがわずかに下がるだけでも非常に大きな影響を生み出します」
と述べています。
また、「認知症で亡くなった人の脳からヘルペスウイルスが発見された」という研究論文を1991年に公開したマンチェスター大学のRuth Itzhaki教授は
「この研究結果は私たちが1991年から主張し続けてきた考えと一致しています。
この研究は、『帯状疱疹ワクチン接種』以外の要因を排除できているという点でユニークです」と述べ、研究の成果を好意的に評価しています。

一方で、カリフォルニア大学サンフランシスコ校のマリア・グリモア教授は
「認知症は数十年かけて発症するが、今回の研究ではワクチン接種から4年経過時点で認知症発症率の低下が観察された」という点に着目して
「この研究はよくできていますが、決して決定的なものではありません」と述べ、
より詳細な分析が必要であると主張しています。
また、記事作成時点では研究対象の期間に使われた帯状疱疹ワクチン「ゾスタバックス」は使用されておらず、
代わりに「シングリックス」が用いられるようになっていますが、シングリックスと認知症の関係は明らかになっていません。
(略)

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