リニア新幹線工事の田代ダム案をめぐり、静岡県は6月14日、JR東海が示した前提条件について大井川利水関係協議会が合意したことを、JR東海に対し文書で通知しました。JR東海が東京電力との協議に入ることを了承した形です。

JR東海が提案する東京電力の発電用ダムの取水量を抑えて、リニア工事で水が県外に流出する分と帳尻を合わせるという「田代ダム案」をめぐって、2023年3月に開かれた協議会では、県が慎重な姿勢を示し、JR東海が東電側との協議に入ることは認められていませんでした。

県は4月14日、JR東海が「東京電力の水利権に影響を与えない」などの前提条件を県や協議会が了解するよう求めたのに対し、「県外への水の流出が想定を上回るなどの場合は協議会で協議する」とした修正案を示していました。4月26日、JR東海は県に対し、県の前提条件の修正案の意味を確認する文書を県に送っていました。

これを踏まえ県は「田代ダム案は東京電力の水利権に影響を与えないため、協議会の会員はこの案を根拠に水利権を主張しない」などの再修正した前提条件を協議会に確認し、6月13日までに協議会の会員から合意を得たということで、14日、その旨をJR東海に文書で通知しました。文書では「東京電力との協議を進めていただくようお願いします」と記しています。

今後、JR東海は東京電力からも前提条件について了承が得られれば、田代ダム案についての協議に入るとみられます。

TBS NEWS DIG
2023年6月14日(水) 16:09
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/542899?display=1