日本が中国にWTO勝訴 日本製ステンレス製品への反ダンピング関税

6/20(火) 0:43配信 産経新聞/Yahoo!JAPANニュース

https://news.yahoo.co.jp/articles/ca03197c82f92d93af2977e92952dc44cdbd87b2

中国による日本製ステンレス製品に対する反ダンピング(不当廉売)関税を巡り、経済産業省は20日、世界貿易機関(WTO)の紛争処理小委員会(パネル)で、WTO協定違反と認められたと明らかにした。パネルは最終報告書で、中国側に是正を勧告した。中国側は上訴する姿勢を示していないことから、今後60日以内にこの判断が確定する見通しという。

最終報告書では、対象製品と中国製品の競合関係や、双方の価格の因果関係を明確にしていないなど、中国側の落ち度が複数指摘された。「日本側の主張の多くが認められ、日本側の勝訴」(政府関係者)といえる。

中国は日本など4カ国・地域から輸入するステンレス製品の平均価格が低下傾向にあり、中国企業に損害を与えていると主張し、2019年7月から4カ国・地域のステンレス3製品に反ダンピング関税を課した。

経産省はこの措置による日本側の関税負担は年約11億円、関連企業の売上高は年約56億円減ったと試算している。

ただ、今回の勝訴をもって、この4年間に負担した関税を取り返すことはできない。また、中国側が措置を撤廃せず、新たな損害認定などを主張してくる可能性も想定され、予断は許さない状況だ。

経産省は今後、WTOのルールに照らして中国側の履行が不十分と判断した場合には、さらに争うことも視野に入れている。