ドイツの裁判所は21日、武装組織イスラム国(IS)に参加したドイツ人の女性被告(37)に対し、イラクの少数派ヤジディ教徒の女性を奴隷にした罪などで禁錮9年の刑を言い渡した。

ドイツ人の女性被告は、人道に対する罪と、外国テロ組織のメンバーになった罪でも有罪となった。

ドイツ西部コブレンツの裁判所は、被告はシリアとイラクに住んでいた3年の間、若いヤジディ教徒の女性を虐待していたと指摘した。

また、被告が夫に対し、ヤジディ教徒の女性をレイプし殴るよう促していたことも明らかになった。

検察は1月の公判で、「これらはすべて、ISが宣言した、ヤジディ教徒の信仰を一掃するという目的にかなうものだ」としていた。

■モスルで2016年から奴隷に

IS戦闘員は2014年、イラク北部にあるヤジディ教徒の先祖伝来の中心地に押し寄せた。

ヤジディ教徒はシンジャル山に逃げ込んだ。大勢が殺され、約7000人の女性と少女が奴隷にされた。

その中に、被告「ナディーンK」とその夫が2016年から奴隷として使っていた、若い女性がいた。被告と夫は同年、イラクのモスル市に移り住んだ。

2人はこの1年前に、ISに加わるためにシリアに渡航。その後、当時20代前半だったこのヤジディ教徒の女性を連れて再びシリアに移住した。

「ナディーンK」とその家族は2019年3月、シリアのクルド人勢力に捕らえられた。「ナディーンK」は昨年、ドイツに送還された後に逮捕された。

■ドイツで続く追及

被告は公判で、ヤジディ教徒女性への強要の事実はないと主張したが、もっと女性のために尽くすべきだったと述べた。

被害者の女性は2019年に解放された。今年2月の公判で証言し、21日の公判にも出席した。

AP通信が女性の弁護士の話として伝えたところでは、女性は同様の犯罪を犯したすべての人が裁かれることを望んでいるという。

ドイツではこのところ、ヤジディ教徒を殺害または虐待したとして、元ISメンバーの裁判が数多く開かれている。

2021年10月には、夫と一緒に奴隷として「買った」ヤジディ教徒の少女を殺害した罪で、女性被告に禁錮10年の刑が言い渡された。(以下ソース)

6/22(木) 14:34配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/e7bdad8340fb68d6d0b1b9837bbe91708077b382