令和3年10月、東京都調布市を走行中の京王線車内で乗客を刃物で刺し、車両に火をつけたとして、殺人未遂や現住建造物等放火などの罪に問われた無職、服部恭太被告(26)の裁判員裁判初公判が26日、東京地裁立川支部(竹下雄裁判長)で開かれた。

被告は被害者1人への殺人未遂について「刺してけがをさせたことは争いません」とし、車両への放火についても認めたが、残る12人への殺人未遂については否認した。

事件は衆院選の投開票日でハロウィン当日だった3年10月31日夜、東京都調布市を走行中の京王線特急内で発生した。被告は事件当時、米人気コミック「バットマン」の悪役「ジョーカー」に仮装しており、逮捕後の調べに対し「仕事や友人関係がうまくいかず、死にたかった。大量殺人をして死刑になりたかった」などと供述していた。

起訴状によると、小田急線特急の3号車で乗客の男性の胸をナイフで刺して重傷を負わせた後、5号車に移動。多数の乗客めがけてライターオイルをまき、火のついたライターを投げて車両の床を焼くなどして、別の乗客12人を殺害しようとしたなどとしている。

東京地検立川支部は、3年12月から3カ月に渡って被告を鑑定留置。精神状態を調べた結果、刑事責任を問えると判断し、起訴した。

公判期日は初公判を含めて12回指定されており、被害者らの証人尋問を経て、7月18、20日には被告人質問が行われる予定。判決は同31日に言い渡される見通し。

産経ニュース
2023/6/26 11:25
https://www.sankei.com/article/20230626-RJB7NWPMDZNDLGP7DLVCDG25CM/