東京電力・福島第一原発の処理水を海洋に放出する計画に関するIAEA=国際原子力機関の報告書に対して、中国や韓国などからその公平性に疑問の声があがっていますが、松野官房長官は「国際機関の存在意義を失わせかねない」と強く反論しました。

IAEAの報告書をめぐっては、中国や韓国などから“日本政府が多くの分担金を負担してきたことや、日本人の職員がいることから中立的ではないのでは”などと公平性に疑義を呈する声が上がっています。

松野官房長官は、“国際機関では、経済力の大きい国が相対的に多くの分担金を支払うこととなる”としたうえで、日本の分担金は中国よりも少ないことを紹介しました。

また、職員についても「様々な国籍の職員が採用されているが、IAEA憲章において、職員の中立性が確保されている」などと指摘しました。

松野官房長官
「日本のIAEAに対する分担金やIAEAにおける日本国籍職員の存在を理由として、今般の包括報告書の中立性に疑問があるとの主張は全く当たらないばかりでなく、国際機関の存在意義そのものを失わせかねないものと考えます」

松野長官はこのように強く反論したうえで、「今後とも科学的根拠に基づき、中国や韓国を含む国際社会に対して日本の立場を丁寧に説明し、理解が深まるよう努めていく」と強調しました。

TBS NEWS DIG
2023年7月10日(月) 12:02
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