【キーウ=共同】米ニュースサイトのポリティコは24日、ウクライナに侵攻したロシアが今年、中国から1億ドル(約141億円)相当の無人機を輸入したと報じた。税関の記録から判明したとしている。ウクライナが中国から輸入した額の30倍に当たり、専門家は「中国が侵攻に中立の立場を主張しながら、実際にはロシアを支援しているのは明白だ」と指摘した。

米国務省のミラー報道官は24日の記者会見で、中国が殺傷力のある武器をロシアに支援することに米国は強く反対すると説明。「制裁を科すべき動きがあるかどうかを監視している」と述べた。

ポリティコによると、防弾チョッキの材料となるセラミックスの中国からの輸出額は、ロシア向けが2億2500万ドルだったのに対し、ウクライナ向けは500万ドルだった。

中国からロシアへの輸出は、ダミー会社を通じることが多い。軍需品ではなく、民生用として税関に申告している可能性もあるという。

中国のロシアへの防衛装備品提供を巡っては、米CNNテレビがフランス政府当局者の話として、軍民両面で利用可能な「デュアルユース」技術や防弾チョッキ、ヘルメットなどを提供している情報があると報じている。

日経新聞 2023年7月25日 8:37
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB250LU0V20C23A7000000/