東京電力福島第一原子力発電所の「処理水」の海洋放出を巡り、外務省が公開した英語版の動画が注目を集めている。外務省の英語版ツイッターでは、処理水の安全性を説明する動画を紹介したツイートの閲覧数が154万件(29日現在)を超え、閲覧数は過去最多を記録した。

 ツイートは、外務省がユーチューブの公式チャンネルで4月以降に公開した英語の動画を紹介する内容で、今月21日に投稿した。岸田首相が25日に自身のツイッターで「ぜひ皆さんにも広く拡散していただきたい」と呼びかけたことで閲覧数が伸びたとみられ、動画再生回数も多いもので480万回を超えた。

 外務省によると、英語版ツイッターで閲覧数が最も多かったのは、広島市で5月に開催した先進7か国首脳会議(G7サミット)の夕食会メニューの126万件だった。

 処理水を巡っては、中国が「核汚染水」などと科学的根拠に基づかない批判を続けている。動画では、海洋放出の妥当性を認めた国際原子力機関(IAEA)の包括報告書も取り上げ、処理水の安全性を説明している。

 動画の反響について、外務省幹部は「様々な情報が出回る中、科学的根拠に基づく情報を知りたい人が多いのではないか」と話している。

東京新聞 2023/07/29 17:03
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20230729-OYT1T50281/