『孤独のグルメSeason10』のロケ地になった旭市役所
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映画やドラマ、好きな俳優のロケ地などを巡る「聖地巡礼」。今年3月に閣議決定された観光立国推進基本計画にはそれに近しい行為である「ロケツーリズム」(注)が政策に盛り込まれ、注目を集めている。

インバウンドによる観光需要が高まる中、「聖地巡礼」がもたらす経済効果への期待はいっそう高まりつつある。7月13日にはロケツーリズムに取り組む地域・企業と映像制作者が参加する「ロケツーリズム協議会」(場所・渋谷キューズ)が開催され、約130人もの参加者が一堂に会した。ここでは各団体の事例をもとに、ロケ対応、実績PRのノウハウを学ぶことができる。

ロケツーリズム協議会であいさつを述べた、観光庁・文化・歴史資源活用推進室の中本聡一さんは、

「観光立国推進基本計画では『持続可能な観光』、『消費額の拡大』、『地方への誘客』の3つをキーワードとして掲げ、ロケツーリズムの推進も政策の一つとして盛り込まれています。ロケツーリズムは国内外の旅行者が全国に足を運ぶ大きな力になるので、そのような取り組みは観光庁としても応援したいと考えています」と期待を込めた。

■『孤独のグルメ』制作チームもリピート

今回参加した地域の一つが千葉県旭市。7月22日から放送スタートした主演・戸塚純貴のドラマ『スーパーのカゴの中身が気になる私』(中京テレビ TVer、Locipo、Hulu、U-NEXTで見逃し配信)メインロケ地に、市内のスーパー「フレッシュイイダ」が選ばれた。定休日に場所を提供するほか、チラシを作ってエキストラの募集も行うなど積極的に協力。撮影現場には米本弥一郎市長も訪れ、出演者・スタッフらを激励した。

旭市は昨年4月にロケツーリズム(注)を推進する地域活性プランニング(代表・藤崎慎一)と包括連携協定を締結し、ロケ誘致とPRに努めてきた。昨年10月には同市で撮影されたドラマ『君の花になる』(TBS系)、『孤独のグルメSeason10』(テレビ東京系)が放送され、実績は順調。『スーパーのカゴの中身が気になる私』は『孤独のグルメ』シリーズの吉見健士プロデューサー率いる制作チームが手掛けており、制作者のリピートにつながった。

また市民への周知にも余念がない。広報誌での実績紹介やロケを支える民間団体「旭おっぺし隊」の結成、撮られた作品の台本やポスターを紹介する展示会の開催など幅広くPR活動を行っている。

これらの活動の中心になっている旭市観光物産協会・事務局長の水野竜也さんは、

「『孤独のグルメ』 に出たお店には予約の電話が相次ぎ、まちの雰囲気も少し変わったような気がします。官民一体となって協力できているので、シビックプライドの醸成につながっているのだと思います。地元の皆さんと一緒に地域を盛り上げていきたいです」

新しく何かを作るのではなく、いまある資源を観光に生かすことができるのがロケツーリズムの強み。今後の広がりに注目したい。(以下ソース)

7/30(日) 7:05配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/9720f79017e48cf50e478eb327f2ae7fe71e3949