橋から渡良瀬川へ飛び降りようと考えていた女性を保護したとして、栃木県警足利署は足利市柳原町、中央消防署の消防士、駒田将吾さん(20)に感謝状を贈った。

 駒田さんは7月10日午後10時50分頃、同市田中町の田中橋を乗用車で走行中、反対車線側で靴をそろえてはだしになり、欄干のそばにたたずむ10歳代の女性を発見した。異変を察知した駒田さんはすぐに引き返し、「何かあった?」と声をかけて、女性を安全な場所へ誘導した。

 当初、女性は川を見つめて何も話さなかったが、駒田さんは世間話をしながら付き添い、思い詰めた人の対応をする消防士の経験を話して「誰かに話せば楽になるようだよ」と伝えた。女性は駒田さんの話に熱心に耳を傾け、少しずつ悩みを語ったという。その後、駒田さんは110番して女性を警察に引き渡した。

 駒田さんは「自分が声をかけなかった時のことを考えると、声をかけてよかったと思う」と振り返り、森平芳彦署長は「勇気を持って声をかけ、対応してくれたことが救助につながった。大変ありがたい」と述べた。

読売新聞 2023/08/11 07:25
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