東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出をめぐり、岸田文雄首相は20日、全国漁業協同組合連合会(全漁連)の坂本雅信会長らと21日に面会する方向で調整していることを明らかにした。処理水の安全性や風評対策について説明するほか、政府関係者によると、8月末に想定する放出の具体的な時期についても伝える方向で検討しているという。

 福島第一原発を視察後、記者団の取材に答えた。首相は「漁業者のみなさんから風評被害や生業の継続に関する懸念や要望の声を頂いている」と説明。「私自身も漁業者の皆さんに対して直接、政府としての考えを伝えたい」と述べ、21日に全漁連の坂本会長ら漁業者と面会し、政府の取り組みや考えを説明する意向を明らかにした。

 首相は具体的な放出時期について、「安全性の確保や風評対策の取り組みの状況を政府全体で確認をして判断する」と述べるにとどめ、明言を避けた。ただ、21日の坂本氏らとの面会では、放出のタイミングについても伝達する方向。福島県沖で底引き網漁が解禁となる9月を避け、8月末に放出を始める考えを伝える見通しだ。

 政府は、首相が21日に漁業関係者らとの面会後、22日にも関係閣僚会議を開いて放出時期を正式決定する方向で調整している。

 放出時期の最終判断に向け…(以下有料版で,残り203文字)

朝日新聞 2023年8月21日 5時00分
https://www.asahi.com/articles/ASR8N6D4MR8NUTFK007.html?iref=comtop_7_02