記者会見するけど「定例」は拒否? 馳浩・石川知事と地元局の平行線

 石川県で3月以降、知事の定例記者会見が開かれない状況が続いている。地元・石川テレビ放送製作のドキュメンタリー映画を巡り、馳浩知事が自身や県職員の肖像権の取り扱いを問題視。同局社長に、定例会見への出席と議論を求めて膠着(こうちゃく)状態にあるためだ。4月以降、会見自体は必要に応じて開いているが、自ら選挙公約にまで掲げて始めた定例会見は宙に浮いたままだ。

 <目次>
 ・「会見で社長と肖像権の議論」要求
 ・前知事との差別化で「定例」を公約
 ・県側に不都合な時は開催されない?
 ・専門家「会見を主導したい表れ」

「会見で社長と肖像権の議論」要求
 「(私は)定例会見は拒否していない。石川テレビ社長が肖像権の取り扱いについて、県民の前で議論をしたいという私の申し入れを拒否しているのが事実だ」――。7月28日、馳知事は随時開催の会見の場で、落ち着いた口調でこう語った。

 問題の発端は半年以上前にさかのぼる。1月27日の定例会見で馳知事は、石川県庁・県議会での映像も登場するドキュメンタリー映画「裸のムラ」を巡り、自身や県職員の映像が無断で使用されたと主張。「肖像権の取り扱いとして倫理的に納得できていない」などと述べ、社長の出席を求めた。

 この映画は、閉鎖的なムラ社会や家父長制などがテーマ。新型コロナウイルス感染拡大による閉塞(へいそく)感が社会を覆う中、7期28年務…(以下有料版で,残り2208文字)

毎日新聞 2023/9/3 08:00(最終更新 9/3 08:00) 有料記事 2789文字
https://mainichi.jp/articles/20230902/k00/00m/040/084000c
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