【ベルリン時事】第2次大戦中のナチス・ドイツによるユダヤ人大虐殺「ホロコースト」について、当時のローマ教皇ピウス12世が、1942年時点で把握していた可能性を示す新たな資料が見つかった。ロイター通信が17日、イタリア紙コリエレ・デラ・セラを引用して伝えた。

 教皇庁はこれまで検証可能な情報がないとの見解を示してきた。ピウス12世はナチス批判に抑制的だったことで知られ、ユダヤ人迫害を黙認したと非難されてきた。
 新資料は反ナチス運動に加わっていたドイツの神父が、ピウス12世の秘書を務める旧知の神父に宛てた42年12月14日付の手紙。この中で、ポーランド西部のベウジェツ強制収容所で1日当たり約6000人のユダヤ人やポーランド人が殺害されているとつづられていた。
 手紙を発見した公文書管理の専門家は「ピウス12世の元にユダヤ人迫害に関する正確で詳細な知らせが届いていたことが、いま確かになった」と意義を強調している。教皇庁は2020年3月に当時の公文書を公開し、検証作業が進んでいる。

時事通信 2023年09月18日13時30分
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