https://news.yahoo.co.jp/articles/df0033c78450fcffda7026ebac8d0bbfc20dd4f0
 スウェーデンのストックホルム大学(Stockholm University)の研究者がこのほど、
絶滅したフクロオオカミ(別名:タスマニアタイガー)の試料から初めてRNAの抽出に成功したと明らかにした。

研究を共同で率いたストックホルム大学のロべ・ダレン(Love Dalen)教授(進化ゲノム学)によると、
絶滅種からのRNAの抽出および配列の解析はこれまで成功していなかった。
同教授は「絶滅種からのRNA抽出の成功は、将来的に絶滅種の復活を可能にさせるための小さな一歩となる」と語った。

研究チームは、スウェーデンの自然史博物館(Museum of Natural History)に常温保存されていた、
130年前のフクロオオカミの試料からRNAの配列を解析。
皮膚と骨格筋RNAを再構築した。
RNAはゲノムからの情報を用い、細胞にタンパク質の合成に関する指示を出す役割を持つ。
ダレン氏は、「絶滅した動物を復活させるためには遺伝子の場所と役割、どの組織に関わりがあるのかを知る必要がある」とし、
DNAとRNA双方についての知識が必要であると説明した。

肉食の有袋類であるフクロオオカミの最後の個体は、オーストラリア南部タスマニア(Tasmania)島のビューマリス動物園(Beaumaris Zoo)で
1936年に死んだ飼育個体だった。
フクロオオカミが生息していたタスマニア島では絶滅前の自然環境がほぼそのままの状態で残っているため、
科学者らは絶滅種を復活させる研究において同種に注目した。