石原慎太郎都政の「日の丸・君が代強制」から20年 「モノ言えぬ」教育現場に人は集まるのか
2023年10月24日 12時00分 東京新聞
https://www.tokyo-np.co.jp/article/285542?rct=national


東京都教育委員会が、都立学校の教職員に入学式・卒業式での「日の丸・君が代」を強制した「10・23通達」から、23日で20年が過ぎた。都教委はこれまで延べ484人を懲戒処分。「思想信条の自由」を理由に取り消しを求める訴訟が今も続く。通達は教育現場に何をもたらしたのか。(山田祐一郎)

「生徒の卒業を祝福する卒業式が『日の丸・君が代』が主人公の卒業式に変質したことを思い出す」。22日に東京・日比谷で開かれた集会で、主催団体の一つ「『日の丸・君が代』不当処分撤回を求める被処分者の会」の近藤徹事務局長が述べた。

通達は石原慎太郎都知事時代の2003年10月23日に出された。日の丸を国旗、君が代を国歌と位置付ける国旗国歌法が1999年に成立した際には政府が強制を否定していたが、通達は入学式・卒業式で教職員は「国旗に向かって起立し、国歌を斉唱する」と規定。従わない場合は責任が問われることを明記した。

◆多様な意見表明が許されなくては

だが、多くの教員が通達に従わなかった。日の丸・君が代が戦前の軍国主義の象徴で、その下で教員が教え子を戦場に送り出したとの反省からだ。

中略


◆教員不足なのに再任用打ち切られ

2003年度は卒業式で193人が戒告や減給の懲戒処分を受け、翌年度の入学式でも210人が処分された。元都立高校教諭の川村佐和さん(65)もその一人。「上の世代から戦前の使われ方への問題意識を聞くうちに、ふさわしくないと理解するようになった」。04~16年に起立せずに計3回戒告の処分を受けた。

19年の定年退職後に再任用され、65歳まで働くことを希望したが、63歳を迎えた昨年3月末で打ち切られた。産休や育休に伴う臨時的任用教員にも不採用。「想像していなかったので本当に驚いた。教員不足で現場が苦しむ中でも、従わない人間を徹底的に排除しようとしている」と憤る。


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