https://projectcbd.org/ja/health/the-cannabis-cancer-connection/
 「メジャー・カンナビノイド」と呼ばれるテトラヒドロカンナビノール(THC)とカンナビジオール(CBD)、「マイナー・カンナビノイド」の一部(名称のついていないものも含む)、
そしてその他の大麻成分に、がん細胞を殺す抗腫瘍作用があるということを示す、事例証拠と科学的エビデンスが蓄積されつつある。
これまでに行われた研究の多くは、特定のカンナビノイドがどのようにがん細胞を殺すかについてのものであるが、
現在、大麻全草に含まれる複数の成分の組み合わせが発揮する抗腫瘍作用に関する研究が増えている。
※略
大麻草の全草は、そのあらゆる部位に、抗腫瘍作用のある成分を含み、それらが一緒になってがん細胞を殺すのである。

■THCの抗腫瘍作用
比較的最近まで、大麻に関する医学的研究はそのほとんどがTHCについてのものであり、大麻草の抗腫瘍作用を示す基礎研究についても同様だった。
いくつかの例外を除き、全身のどこであっても腫瘍細胞はその表面にカンナビノイド受容体を持ち、THCはこれらの受容体に結合して
アポトーシス(プログラム細胞死)を引き起こす。平たく言えば、THC はがん細胞と結合して自殺を強要するのである。
※略
興味深いのは、悪性度が高く転移しやすい腫瘍の多くはカンナビノイド受容体が多く、したがってカンナビノイド誘導性のアポトーシスが起きやすいということだ。
※略
THCとCBDはまた、がん細胞の成長に必要な血管の新生を刺激する血管内皮増殖因子(VEGF)の産生を阻害することによっても腫瘍の増殖を抑える。
血流が増加しなければ、腫瘍はその成長を維持するのに十分な栄養を得られない。

■CBDの抗腫瘍作用
CBDには、アポトーシス誘導作用、増殖抑制作用、抗浸潤作用がある。CBDは CB1およびCB2受容体に直接は結合しないが、
強力な抗腫瘍作用を持っている。CBD が存在するとTHCのCB1受容体との結合を減弱させ、THCが引き起こす精神作用を軽減させる場合がある。
※略

■THC, CBDと CBGの組み合わせによる抗腫瘍作用
この3つのカンナビノイドはいずれも単独で強力な抗腫瘍作用を発揮するにもかかわらず、これらを組み合わせたときの抗がん作用については
ほとんど研究が行われていない。だが、これに関するごく初期の研究は、THC と CBD の組み合わせが黒色腫(皮膚がん)細胞および
複数の骨髄腫細胞株に対して有効であることを示している。
だが、より期待できる結果を示した研究は、ロンドン大学セントジョージ校の研究者らによるもので、ある特定の細胞株において、
CBDが白血病細胞を殺す能力はTHCの2倍近かった。さらに THCとCBDを組み合わせると、その効果はCBD単独の場合の2倍であった。
※略
研究チームはまた、CBDとTHCにさらにカンナビゲロール(CBG)を加える実験も行った。
今度も、これらを組み合わせたときの方が一貫して、それぞれのカンナビノイドを単独で使った場合よりも強力に作用した。
※略

■THC と CBD の組み合わせ(Sativex®)とテモゾロミドの併用に関する第2相試験
※略
イギリスに本社を置く GW製薬は、世界で初めて医薬品として承認された大麻由来製剤 Sativex®とEpidiolex®を開発し、イギリス、アメリカ、ヨーロッパ市場で販売している。
Epidiolexが高CBDのティンクチャーであるのに対し、Sativexはおよそ 1:1の割合でTHCとCBDを含む。
これらの市場でSativexの医薬品としての認可を得るため、GW 製薬は、がんを含むさまざまな疾患に関する第2相試験を行っている。

GW製薬による、多形性膠芽腫を対象とした臨床試験は非常に重要であり、有望な結果が得られている。
彼らが行ったのは、再発性の多形性膠芽腫に対し、Sativexをテモゾロミドと併用した第2相二重盲検対照試験である。
多形性膠芽腫は浸潤性が高く予後の悪い脳腫瘍であり、必ず効果のある薬剤治療法は存在しない。
テモゾロミドは、現在使用されている抗がん剤の中では最も成績の良いものの一つであるが、それ単体では効果がない。

この試験では、再発した多形性膠芽腫の患者 21名に、Sativexを一日最大 12回スプレー投与し、同時にテモゾロミドを併用した。
テモゾロミドのみを投与された対照群と比較すると、Sativexを投与された患者の83%は少なくとも1年間生存したのに対し、プラセボ群で1年間生存したのは53%にすぎなかった。
Sativexとテモゾロミドを併用した患者の平均生存期間は 550日以上であったのに対し、対照群では 369日だった。
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