11/1(水) 21:08配信
デイリースポーツ

 埼玉県蕨市の蕨郵便局で10月31日に発生した立てこもり事件で、自称同県戸田市の職業不詳、鈴木常雄容疑者(86)が人質強要処罰法違反の疑いで逮捕された。元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が1日、デイリースポーツの取材に対し、犯行の経緯や動機、捜査ポイントなどを解説した。

 31日午後2時15分ごろ、蕨郵便局で男が拳銃のようなものを持って立てこもった。県警は約8時間後に突入し、容疑者を逮捕した。

 女性職員2人が人質となったが、20代職員は午後7時20分ごろに解放され、30代職員は午後9時ごろに隙を見て脱出し、保護された。逮捕容疑は拳銃のようなもので職員を人質にし、警察官に特定の人物との面会を要求した疑い。県警によると容疑を認めている。

 また、同日午後1時ごろ、鈴木容疑者の自宅とみられるアパートで火災が発生し、その十数分後には戸田市の戸田中央総合病院で屋外から診察室に銃弾2発が発砲される事件があり、男性医師と男性患者が負傷。県警によると、屋外から撃ったとみられ、同容疑者も関与を認めている。

 小川氏は「時系列的に、自宅に放火してから病院に行ったことを考えると、半ば自暴自棄になり、捕まるのを覚悟で行動したと思われる。また、犯行が昼間だったことについては、郵便局側と交通事故のトラブルがあって、話をしたいということで、営業時間中に行ったということ。病院への発砲に関しても、夜に発砲すると、騒ぎが大きくならないので昼間にやったのではないか」と指摘した。

 発砲によって、人に危害を加える意識はあったのだろうか。

 小川氏は「診察室は磨りガラスで外からはどんな状況かは見えない場所。暴力団員が、中に人がいなくても事務所等のガラスを撃つ感覚で発砲したのではないか。また、私が郵便局関係者から聞き取りをしたところ、『発砲音を複数回聞いた。直接見たわけではないが、人に向けて撃ったのではないと聞いている』とのことでした。病院でも結果的に負傷者が出たが、人に向けて撃ったという意識はなかったのではないか」と推測した。

 動機について、小川氏は「病院側とは診察券を返す返さないでトラブルになったという話も聞いています。また、郵便局の車両と本人のオートバイの交通上のトラブルがあったということですが、いずれも、そのくらいのことで発砲するというのも不可解。そこは今後の取り調べで捜査が進められる」とした。

 拳銃の使用に関して、小川氏は同容疑者が「元暴力団関係者」と報じられている経歴に注目した。

 同氏は「今、暴力団社会も高齢化しています。ある程度の年齢になると組織を辞めていくわけですが、『暴力団員1人に一丁の拳銃がある』と言われ、暴力団を辞めた後でも拳銃を持っている者が多い。私も現役の時、自分が持っていても邪魔になる拳銃を正規な提出ではないが、警察に渡そうとして『公園やコインロッカー』などに置いていると電話してくる者がいた」と背景を説明した。

長文につきあとはソースで

https://news.yahoo.co.jp/articles/63b62c4c948cd8ca4816aa7c50e9dcc7eedf9a1d