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2013年にトマ・ピケティが『21世紀の資本』を発表して以降、社会格差の問題をめぐる議論が活発に行われ、おびただしい研究が行われてきた。しかし、それから10年経って、事態は改善するどころか、悪化の一途をたどっている。

第2次世界大戦後に定着し、冷戦終結によって強化された、資本主義と民主主義に対する信念、さらに言えば、進歩そのものに対する信念が地に堕ちた。それどころか、歴史は、進歩とは逆のコースを歩み始めているのではないかという疑念すら持ち上がっている。