>>410
最近も、アメリカの保守派の論客であるマイケル・リンドが、『新しい階級闘争─大都市エリートから民主主義を守る』を世に問うた。第2次世界大戦後の資本主義の繁栄と格差の是正によって克服されたかに思われた階級闘争が、中産階級の没落によって、再びよみがえったというのである。

コトキンに至っては、歴史はもっと退行して、ついに「新しい封建制」を現出するまでに逆戻りしたと論じている。格差の拡大は確かに問題ではあるが、それを「封建制」と言うのは大げさだと思うかもしれない。しかし、本書を読めば、そのような認識が甘かったことに気付くであろう。