現代の「聖職者」となった「有識者」とは何か
本書の中でも特に秀逸だと思うのは、第Ⅲ部における「有識者」の分析である。支配体制を維持するには、それを正当化する論理を提供する「正当性付与者」が必要である。中世の封建制においては、聖職者がその役割を果たした。

しかし、近代に入り、宗教の衰退とともに聖職者の正当化者としての役割は低下し、代わって、大学教授、科学者、公共知識人などのいわゆる「有識者」が「正当性付与者」となっていった。


https://i.imgur.com/4TxDAd4.jpg