>>469
ここがポイントである。現在のテックジャイアントたちは「金ぴか時代」の富豪たちのような非道な守銭奴ではない。彼らは社会的弱者の生活を気づかい、気候変動や人権やLGBTについても「意識の高さ」を示す。株主に高額の配当をすることよりも、「国民の意識や政策に影響を与えること」(169頁)にむしろ関心を持っている。彼らはかつての啓蒙専制君主のように「開明的」なのである。

「ビジネスリーダーたちのこうした傾向は、寡頭支配層を有識者層(弁護士、学者、メディア関係者など)に近づける」(170頁)

こうして、「芸術家と科学者」の連携が成り立つ。テックオリガルヒと有識者による世界支配という「新しい封建制」がやってくる。