火葬後の遺灰に残る銀歯などの貴金属を売って収入にする広島市の取り組みで、初めて試行した2022年度の売却額が約2000万円だったことが20日、分かった。市は収益化できると判断し、当面続ける方針。

 市によると、22年4〜12月に市営の火葬場4施設で、遺族による収骨後に残った骨や灰約27トンから歯の治療などに使われていた貴金属を取り出した。銀2800グラムや金1200グラムが含まれ、買い取り業者に1990万円で売った。選別作業をした別の業者への委託費約407万円を除く売却益が市の収入という。残った灰は墓地に埋葬した。

 従来は火葬場の指定管理者が、業者に年20万円程度の費用を支払って遺灰を処理していた。他市で貴金属の抽出、収益化の取り組みが進む中、市が20年に市民3千人を対象にしたアンケートで、回答者の7割が賛意を示したため、試行を始めた。23年1月以降も続けている。

 市環境衛生課は「貴金属の量などの実績を見ながら、必要に応じて処理方法の見直しを検討したい」としている。

11/21(火) 11:25 中国新聞デジタル
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