2023年は、およそ7割がお歳暮を贈らない――。社会人の意識調査を手掛ける「Job総研」(東京)が27日に公表したアンケート結果で、そんな世相が浮き彫りとなった。お歳暮を不要とした人のうち、5割以上が「お金がかかる」ことを理由に挙げていて、総研は物価高を背景とした、お歳暮文化の衰退を指摘している。

 調査は11月にインターネットで実施し、20~50代の社会人900人(男性498、女性402)から回答を得た。「お歳暮を贈る」「多分贈る」「多分贈らない」と「贈らない」の4択で尋ね、後者2択を「贈らない派」としてまとめた。

 調査結果によると、全体の70・6%が贈らない派で、年代別でみると、20代が75・1%▽30代が71・5%▽40代が69・3%▽50代が63%――だった。

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 お歳暮の必要性については、60・1%が「不要」と回答。その理由として「お金がかかる」が53・9%と最も多く、「他の手段であいさつや感謝を示せる」が35・7%、「準備が面倒」が33・5%と続いた。

 自由記述では、「受け取ると返す義務が発生し、精神的にも経済的にも負荷を感じる」「お歳暮を贈ったり、受け取ったりしたことがなく、そもそも文化としてなじみがない」とする回答があった。

 過去4年でお歳暮を贈ったかどうかを年別に尋ねたところ、19年は56%▽20年は21%▽21年は20・1%▽22年は24・1%――だった。20年以降の新型コロナの感染拡大を機に年末の贈答を取りやめ、そのまま定着しつつあることがうかがえる。プライベートのお歳暮の平均予算は5750円だった。
 アンケートでは年賀状についても質問。51・5%が年賀状を「多分送らない」「送らない」とした。また、「年賀状は不要」と回答したのは54・3%で、うち49・4%が「SNSなど他の手段で代用できる」とした。

 総研は「お歳暮は文化として無くなる傾向にある。一方、年賀状はデジタル化と組み合わさることで、文化が継承される可能性があり、明暗が分かれる結果となった」と指摘した。【島袋太輔】

毎日新聞 2023/11/27 19:46(最終更新 11/27 21:07)
https://mainichi.jp/articles/20231127/k00/00m/040/205000c