憲法改正を訴える日本会議の「危ない」正体
「宗教右派の統一戦線」が目指すもの
2016年07月12日
https://toyokeizai.net/articles/-/126794

政権と密接な関係を持ちつつ、憲法改正を訴える任意団体「日本会議」。取材を続けるジャーナリストが、近著でその危険性を明らかにした。

安倍政権のコアな応援団となっている日本最大の右派組織、日本会議を端的にどう評すべきか。先ごろ上梓した『日本会議の正体』(平凡社新書)を取材・執筆しつつ考えたのだが、ある雑誌で対談した先輩記者・魚住昭さんの言葉に膝を打った。「宗教右派の統一戦線」。魚住さんはそう評した。そのとおりだと私も思う。

1997年5月、当時の2大右派組織──日本を守る会と日本を守る国民会議が合併する形で日本会議は発足した。現会員は約3万8千人、日本会議に呼応する日本会議国会議員懇談会に名を連ねる衆参両院議員も約280人を数えるに至り、組織の役職などには右派系の著名文化人、学者、財界人らが就いてきた。初代会長はワコール会長だった塚本幸一氏。2代目会長は石川島播磨重工業会長だった稲葉興作氏。3代目会長は元最高裁長官の三好達氏。現会長は杏林大学名誉教授の田久保忠衛氏。

しかし、組織運営の中枢を担うのは新興宗教団体・生長の家に出自を持つ元活動家の面々である。