劇的な変化遂げた携帯市場、“真の民主化”の道のりはどこまで? 楽天モバイル河野CMOに聞く
2023-12-20 ORICON NEWS
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1ヵ月の携帯料金といえば、ほんの数年前まで1万円以上払っていた利用者も多く、逆にその金額に疑問を抱くユーザーは少なかった。「適正価格」が曖昧なまま進んできたモバイル業界に“地殻変動”が起きたのが2017年、楽天が「携帯市場の民主化」を掲げ、モバイル事業への参入を表明。20年より本格サービスを開始してからわずか3年。課題は山積みだが、少なくとも同社の参入が、モバイル事業に正常な“市場原理”をもたらすきっかけとなったことは間違いない。果たして“真の民主化”への道のりはどこまで進んだのか?楽天モバイル常務執行役員兼CMO、楽天グループ株式会社副社長執行役員兼CMOの河野奈保氏に話を聞いた。

“第4のキャリア”として参入し、ようやく市場競争が生まれる「“常識を崩す”ことを使命に」

――河野さんへの過去インタビュー記事などを拝読すると、「顧客満足度をいかに最大化するか?」についての熱量が非常に伝わってきます。12月1日に発表された2023年「オリコン顧客満足度」携帯キャリア部門にて、楽天モバイルが2年ぶり2度目の総合1位を獲得されました。まずは、その結果を受けての想いをお聞かせください。

【河野CMO】このような名誉ある賞をいただけたことを、楽天モバイル一同大変嬉しく思っております。2021年にも1位を取らせて頂きましが、その際は価格が大きな要因だったと思います。私たちとしても価格は重要なポイントだと思いますが、この度サービス開始から3年半経過し、料金プランのシンプルさ、加入手続きのしやすさ、サポートサービスの充実など、さまざまな点で評価され総合的1位を受賞できましたので、前回の満足度1位とは異なる喜びがあります。

――確かに「低価格」だけが独り歩きするのではなく、さらなる総合的な顧客満足度をユーザーから獲得したという点は、2年前の1位とは異なる“重み”があります。

【河野CMO】そうですね。私たちが“第4のキャリア”として携帯市場に参入し、まずやらなければならなかったことは、今まで常識と言われていたものを崩すことでした。私達の強みというのは、楽天グループの力や、テクノロジー(技術)にあります。それまで実現しえなかった完全仮想化クラウドネイティブモバイルネットワークを世界で初めて実現させて、現在のサービスに還元する仕組みを形成しています。お客様にとっては、少しわかりづらいかもしれないですが、このネットワークによって設備投資など様々な費用を削減することができ、削減できた分を料金プランの安さへ反映することでお客様のメリットとして還元しています。

――世界に誇る技術力がサービス還元にも結び付いているんですね。「低価格」以外にも取り組まれた課題などはあったのでしょうか?

【河野CMO】最も重要だったことは、ネットワークにおけるカバレッジ(網羅率)の向上でした。カバレッジ=「繋がりやすさ」はもちろん重要視していましたが、その他にも、携帯キャリアの契約手続きにおける「プランのわかりづらさ」や、キャリア乗り換えにためらってしまう「手続きの面倒さ」などに対する声もしっかり分析していました。価格帯だけでなく、繋がりやすさだけでなく、網羅的にこれまでの“携帯キャリアの常識”を崩すことが重要でした。

――それが、現在の1プランのみ「Rakuten最強プラン」に繋がっているんですね。データ無制限で税抜き2980円は確かに破格です。


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