自殺しようと白浜町を訪れた女性を保護したとして、和歌山県警白浜署は25日、和歌山県田辺市上万呂のタクシー運転手、北本弘さん(72)に感謝状を贈った。

北本さんは12月10日夕、JR白浜駅で県外の40代女性を乗せた。行き先は自殺が多い三段壁。荷物が少なく、宿泊先も決めていないなど不審点が多いことから話をしながら様子をみていたところ、女性は泣き出し、自殺願望を口にした。北本さんは三段壁付近を素通りし、「ここでは降ろしません。負けたらあかん。警察の人に相談しましょう」と説得。同署に連れていき、署が家族に連絡して迎えにきてもらったという。

北本さんはタクシー運転手歴12年。「同僚らから自殺のために来る人のことを聞いたことがあり、警察に行くのが一番いいと分かっていた。救えて良かった」と話した。感謝状を渡した原口憲司署長は「県外の方に最初に接触する可能性が高いのはタクシーやバスの運転手さん。一人でも多くの方に警戒してもらえるのはありがたい」とお礼を述べた。【竹内之浩】

毎日新聞 2023/12/26 10:48(最終更新 12/26 11:09)
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■参考画像
南紀白浜観光協会 三段壁
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