名古屋市は28日、引き取り手のない2人の遺体について、担当職員が事務手続きを怠り、2年半以上にわたって葬儀業者の保冷施設に放置していたと発表した。この職員は遺体を長期間放置したとして昨年も処分されていた。

発表によると、2人は昭和区に住民票がある90歳代女性と50歳代男性で、いずれも2021年に亡くなった。区は葬儀業者に保管を依頼したが、担当する区総務課の40歳代の男性主事は必要な事務処理をせず、業者からの再三の問い合わせにも「手続きをしているところだ」と虚偽の説明を繰り返していた。

市では昨年2月、身寄りのない市民ら19人の遺体を最長3年4か月間、葬儀業者の施設に預けたままにしていた問題が発覚。関係する職員7人が懲戒処分となった。男性主事はこのうちの1人で、今回の区の調査に、「(当時の放置で)処分を受けることがわかっていた時期と重なり、言い出せなかった」と説明したという。

区総務課は「亡くなられた方の尊厳をないがしろにする対応で、本当に申し訳ない」としている。

読売新聞 2023/12/28 19:58
https://www.yomiuri.co.jp/national/20231228-OYT1T50166/