インターネット上の誹謗中傷が社会問題となり、法改正もなされましたが、いまだ被害はやみません。特に、芸能人や有名人に対する誹謗中傷が問題視されています。

弁護士ドットコムが一般会員1,355名を対象に誹謗中傷に関する調査を行ったところ、芸能人や有名人に誹謗中傷をしたことが「ある」と回答した人が3.5%にのぼりました。
発信手段としては、X(旧Twitter)が52.1%で最多となりました。

●芸能人や有名人への誹謗中傷コメント、3.5%が経験

芸能人や有名人に誹謗中傷をしたことがあるかを尋ねたところ、「ある」と回答した人が3.5%にのぼりました。

●芸能人や有名人への誹謗中傷、半数超が「X」利用

芸能人や有名人の誹謗中傷を投稿したソーシャルメディアを尋ねたところ、「X(旧Twitter)」が最も多く52.1%、次いで「匿名掲示板」が20.8%、「Instagram」と「ニュースメディアのコメント欄(Yahoo!ニュースなど)」が12.5%、「YouTube」と「ブログ」が8.3%、「Facebook」と「LINE」が6.3%、「TikTok」が2.1%、「その他」が8.3%となりました。

●83.3%が「容姿や性格、人格に関する悪口」

誹謗中傷については、法的に明確な定義が定められているわけではありません。今回のアンケートでは、投稿した誹謗中傷の内容について、4種類に分類し、選択肢を提示しました(複数回答可)。

芸能人や有名人に誹謗中傷を投稿したことが「ある」と答えた人のうち、83.3%は「容姿や性格、人格に関する悪口」でした。「虚偽または真偽不明情報を流す」は12.5%、「プライバシー情報の暴露」と「脅迫」は10.4%でした。

●動機の41.7%「その人物が事件、不祥事を起こしたから」

芸能人や有名人に誹謗中傷を投稿した動機を尋ねた(複数回答可)ところ、「正当な批判・論評だと思ったから(誹謗中傷と認識していなかった)」が60.4%でもっとも多く、「その人物が事件、不祥事を起こしたから」が41.7%と続き、投稿した当時には、正当なものだと認識していた実態が浮き彫りになりました。

●具体的内容「元アイドルの顔の変化、体型について書いた」

「誰についてのどのような誹謗中傷コメントを投稿しましたか?」という質問には、
「元アイドルの番組での態度や、顔の変化や体型について」(40代・女性)、「女優の不倫に絡めて人格を否定するようなコメントをしてしまった」(30代・女性)など、私生活や外見に関することについてSNSに書き込んでしまったとの回答がありました。
(略)

●一般人へ誹謗中傷経験は5.2%

今回のアンケートでは、芸能人や有名人だけでなく、一般人(芸能人や有名人以外)に誹謗中傷したことがあるかどうかも質問しています。「ある」と回答した人が5.2%いました。

(略)

一般人に誹謗中傷をしたことが「ある」と答えた人のうち、「容姿や性格、人格に関する悪口」が77.1%、「プライバシー情報の暴露」が17.1%、「虚偽または真偽不明情報を流す」が11.4%、「脅迫」が4.3%となりました。

●一般人への誹謗中傷、理由は「正当な批判・論評」「正義感」

一般人への誹謗中傷の動機を尋ねたところ、「正当な批判・論評だと思ったから(誹謗中傷と認識していなかった)」が50%でもっとも多く、
次いで「その人物の間違いを指摘しようとする正義感から」が41.4%となり、正義感から意図せず加害者になっている人が多い実態が明らかになりました。

●具体的内容「お客様の声で、匿名で中傷するようなコメントを書いた」

「誰についてのどのような誹謗中傷コメントを投稿しましたか? 」という質問には、職場の人間関係、家族や知人との対人トラブルについて書いてしまったとの声が寄せられています。

・私も書かれたから同じことをした。書かれた人の気持ちも考えてみたらいいと思ったから(40代・女性)

・お客様の声で、匿名で中傷するようなコメントをしてしまった(30代・女性)

・職場の握りつぶされた不祥事を匿名掲示板に投稿した(50代・男性)

・知人女性のダブル不倫相手の会社の口コミにコメントしました(50代・男性)

・馴れ合いコミュニティのメンバーを『頭が悪い』『これからどんどん人が離れていくだろう』と批判した(30代・男性)

・夫が元勤めていた会社への誹謗中傷。ブラック企業で残業代の未払いがあり過ぎて、腹が立ったから(40代・女性)

全文は
https://news.yahoo.co.jp/articles/f4b40f2bffa80212dc7d4ab4f7680f977c1bab22

[弁護士ドットコムニュース]
2024年1月5日(金)10:13