佐久市で2015年、男子中学生が車にはねられ死亡した事故は、異例の経緯をたどりながら、いまも裁判が続いています。
SBCニュースワイドでは、自ら真相を明らかにしようとする両親の活動を伝えてきましたが、その原点には21年前に起きた別の事故の遺族の存在がありました。
2つの事故から浮かび上がる交通事故の捜査の課題とは?

2024年1月1日、和田善光(わだよしみつ)さんと真理(まり)さんは、長男の墓参りに訪れました。

善光さん:
「今年はしっかりと樹生の事件にかたをつけて、必ず良い報告ができるようにするよと」

9年前、中学3年生だった長男の樹生(みきお)さんを交通事故で亡くしました。

佐久市で2015年3月に起きた事故。

樹生さんは酒を飲んだ男性が運転していた速度超過の車にはねられました。

しかし、検察は、「過失運転致死」いわゆる「わき見運転」の罪だけで男性を起訴。

その年に行われた1回目の裁判では、執行猶予付きの判決が言い渡されました。

真理さん:
「もしかしたらすぐに助けてもらえたら、命だけは助かったかもしれないと思うと」

この事故では男性が樹生さんをはねたあと、酒の臭いを隠すため口臭防止剤を買いにコンビニへ行っていたことが当初から、わかっていました。

両親はこれが「救護義務違反」いわゆる「ひき逃げ」の罪に当たるとして起訴を求め続けてきましたが、検察は応じませんでした。

警察・検察の両親への説明は。

佐久警察署の警察官(ナレーション):
「救護義務違反については逃げているわけではないので、検察からの指示があれば動く可能性があるかな」

地検佐久支部の検事(ナレーション):
「救護義務違反を主張した場合、現場にとどまっていたと争われる可能性がある。わき見運転以外の罪は起訴しないが、事故後の行動の悪質性を主張すれば実刑は取れると思う」


https://news.yahoo.co.jp/articles/2474e8dc8b39425e4fb9be87a60ce5de05e7b253