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NASDAQにも上場して資金集めようとした


A.L.I.Technologiesの見た夢とは?「SPAC上場失敗で見えたドローン業界への影響」
親会社AERWINSが米国NASDAQ市場に上場したのを契機に経営難に陥ったA.L.I. Technologies。編集部が元関係者に取材し検証した
2023年10月4日
■SPAC上場失敗で見えたこと
ドローン業界に携わっていればA.L.I. Technologies(以下:A.L.I.)を知っている読者も多いのではないだろうか?
ホバーバイクやドローンの開発・製造を手がける同社は、黎明期のドローン業界において大型の資金調達を実施した新進気鋭のスタートアップ企業だった。
しかしながら、米国親会社AERWINS Technologies Inc.(以下:AERWINS)を通じて、本年2月に米国NASDAQ市場に上場したのを契機に、経営難に陥り、
もはやその存続すらも危うく、窮地に立たされている。

業者や多くの役員が退任し、140名超いた人員のほとんどが整理解雇された。債務超過による過去3カ月分の従業員に対する給料や経費精算の未払い等、
取引先への債務なども含めて負債総額は9億円を超えるという。世界に先駆けてのホバーバイクの発売開始、
そしてNASDAQ上場までしたA.L.I.が、なぜこのような状況に陥ったのか?

A.L.I.は、ドローン業界の黎明期に起業し、「次世代のインフラ企業となる」ことをビジョンに標榜していた。
創設者の小松周平氏(上場時は代表取締役会長)のまわりには、
外資系戦略コンサルティングファームのボストンコンサルティンググループ出身の片野大輔氏(同、代表取締役社長)、
ホバーバイクの開発には元ソニーYでプレイステーションの開発をリードしていた三浦和夫氏(同、取締役)、
海外マーケット及びSPAC対応に外資系ヘッジファンド出身の伊東大地氏(同、取締役)が脇を固め、
社外取締役にはDRONE FUND共同代表の千葉功太郎氏がいた。