コオロギは妊婦に禁忌ですか?

私たちは妊婦さんにわざわざコオロギをすすめることはありませんし、心配な方は食べない方が良いと思います。

コオロギが妊婦に禁忌と言われるようになった経緯を説明します。

2023/1/30、twitterにてある人が漢方医学大事典(雄渾社、1983年)という本の中に「蟋蟀(コオロギの一種)」の項目があることに気付きました。

そこには薬効とともに「微毒」「妊婦に禁忌」の記載がありました。このtweetが拡散され、コオロギには毒がある、妊婦に禁忌、コオロギで不妊、などの話が独り歩きするようになりました。

「蟋蟀」の項目は本草綱目(西暦1500年代の中国で書かれた本草学の基本書)が出典であると書かれていますが、実際のところ本草綱目には「微毒」「妊婦に禁忌」との記載はないことが別の方の検証で報告されています。

先のtwitter発信の当人によると、「微毒」「妊婦に禁忌」は漢方医学大辞典の日本人の編集者が情報を後から付け加えたものだろうとのことでした。

その一方で最新の科学においては、アレルゲン性以外に安全性に関するリスクは無いと報告されています。

私たちは日本の各種法令や科学的根拠に基づいて判断、情報発信をしていきます。

なお、東南アジアでは妊婦を含めて日常的にコオロギを食べている地域があります。特にミネラル分の補給を目的として医師が妊婦にコオロギ食を勧めているケースもある(2023年現在、同業者の現地報告より)、ということも申し添えておきます。東洋医学における情報の真偽についてご自身にて専門家にお問い合わせください。
http://takeo.tokyo/note/answer-honestly/#ah-1-17