能登半島地震の被災地で、地下のマンホールがあちこちで道路から浮き上がっている。車が通れない箇所もあり、市民の日常生活や復興の足かせになっている。液状化の影響とみられる現象で、国は対策を進めていたが、輪島市や珠洲市ではまだだった。

 大きな揺れに襲われた輪島、珠洲両市では、マンホールが至る所で浮き上がっている。注意を促すコーンが置かれ、通行止めの道路もある。

 1月下旬。輪島市中心部の市道では、約40メートルの間に3ケ所でにょきにょきと出ていた。高さが約1.2メートルに及ぶものもあった。

 通りに面した駐車場を所有する男性は「車を入れられなくて困っている」と話した。市は1月31日、飛び出た部分のマンホールを機械で切り、穴の上に鉄板をかぶせて土でならした。これで車も通れるようになった。

 市土木課の担当者は「浮き上がったマンホールを撤去しないと、災害ごみを運ぶ車両も入れない」と話す。市は撤去を順次進めているが、正確な数は把握できていない。地震からしばらくたった後、マンホールが浮き上がった場所もあるためだ。

 ただ、マンホールの撤去は道路復旧のための応急措置にすぎない。

 市上下水道局によると、マンホールは筒型の構造物で地下数メートルの下水管につながる。浮き上がった箇所では引っ張られた下水管も破損しており、水道復旧のためには撤去とは別の工事が必要になる。

 マンホールは地震でなぜ浮き上がったのか。

 名古屋大大学院の野田利弘教…(以下有料版で,残り598文字)

朝日新聞 2024年2月14日 6時30分
https://www.asahi.com/articles/ASS2F64RBS25PIHB00S.html?iref=comtop_7_06