東京都台東区の自宅で向精神薬などを飲ませて4歳の次女を殺害したとして、両親が逮捕された事件で、次女が生後数カ月から約3年半の間に計6カ所の保育施設に預けられていたことが16日、都児童相談センターなどへの取材で分かった。

 次女はネグレクト(育児放棄)を受けていたとみられ、警視庁浅草署捜査本部は父親の細谷健一容疑者(43)らが虐待発覚を恐れ、次々と施設を変えていた疑いもあるとみて調べる。

 同センターなどによると、次女の美輝ちゃん(4)は2019年3月、母親の志保容疑者(37)による放火事件をきっかけに、生後約2カ月で一時保護された。

 健一容疑者らは一時保護解除後の同年秋ごろから美輝ちゃんを保育施設に預けるようになった。ただ、死亡する昨年3月までに、区内外の公立や私立の保育施設計6カ所を転々とし、日中と夜間で別々の施設に預けたり、1日のほとんどを施設で過ごさせたりすることもあった。

 台東区子ども家庭支援センターは転園を確認するたびに理由を尋ねたが、健一容疑者は金銭的な都合や、自宅から遠いことなどを理由に挙げたという。

 捜査関係者によると、複数の施設の保育士が当時の美輝ちゃんについて、「髪の毛が汚れていた」「毎日同じ服を着ており、排せつ物の臭いがした」などと説明した。施設側が健一容疑者に「きれいにしてあげてください」などと伝えた直後、転園したこともあったという。

時事ドットコムニュース
2024年02月16日05時24分
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