https://news.yahoo.co.jp/articles/71576f89810cbda32194e4261e951926ae19919e
 11月の米大統領選で返り咲きを目指す共和党のトランプ前大統領(77)が、党の全国組織である「共和党全国委員会(RNC)」の執行部に
親族を含む腹心を送り込もうとしている。
党所属議員がトランプ氏の意向に沿って議会審議に臨むなど、「トランプ党」に変質したとも言われる中、党を「完全掌握」しようとする動きだ。
ただ、トランプ氏を巡っては、起訴された4つの刑事事件などにかかる訴訟費用がふくらみ、政治資金の逼迫(ひっぱく)が指摘されており、
RNCを通じて資金調達を容易にする思惑があるとの見方が強い。

RNCは各州の党組織を束ね、大統領選のほか議会選や知事選などで候補者への資金配分も行う。
現トップのロナ・マクダニエル委員長はトランプ氏におおむね忠実だとみられてきた。

しかし、トランプ氏は今月初め以降、自身に近いメディアのインタビューや交流サイト(SNS)で執行部の「変化が必要だ」などと表明し、実質的に執行部の退陣を要求。
12日には、後任の委員長に腹心のマイケル・ワトリー氏▽ナンバー2の共同委員長に次男エリック氏の妻ララ氏▽
最高執行責任者(COO)に自陣営の上級顧問を務めるクリス・ラチビタ氏をそれぞれ推すと表明した。
新執行部の選出は、24日の南部サウスカロライナ州予備選後が望ましいとしている。

米メディアがトランプ氏周辺の話などとして伝えたところでは、同氏はRNCが23年に調達した額が
過去10年で最低の約8700万ドル(約130億円)にとどまったことに強い不満を抱いているという。

ブルームバーグ通信によると、トランプ氏はこれまでに訴訟費用として約5100万ドルを支出。
訴訟費用に転用可能な資金は残り約2600万ドルで、本選に向けた選挙活動が本格化する7月ごろには底をつく可能性が高い。
トランプ氏は、前回の20年大統領選での落選を覆すため選挙結果の確定手続きを妨害しようとしたとされる事件など、4件で起訴されているほか、
ビジネスに絡む詐欺疑惑などの民事訴訟も抱える。

こうした中、選挙イヤーの今年はRNCに多額の献金が集まることが見込まれる。
トランプ氏側には、RNCを完全に掌握していれば、優先的に資金を融通させることができるとの計算が見え隠れする。

ララ氏は執行部入りを推挙されたのを受け、13日、保守系メディア、ニューズマックスのインタビューに
「(RNCの資金は)1セント残らずドナルド・トランプの当選のために使う」と語り、大統領選と同時に行われる議会選などには関心を示さなかった。


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