がワケが分からないまま逃げた距離は約70メートル。けがをさせられ、その後、容疑が晴れるまで、約5時間にわたって田園調布署に勾留されるなど、まさに踏んだり蹴ったり。不運、悲運はここに極まった感がある。

 警視庁は10日までに男性の家族に謝罪。男性本人にも謝罪するという。また同日、警視庁の刑事総務課は「今回、誤って逮捕し、拘束してしまった方には、心からおわび申し上げる。今後、このような事案がないよう指導監督を徹底して参りたい」とコメントした。


「棒持った」人に追われ、逃げたら誤認逮捕
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120211-OYT1T00258.htm

 警視庁は10日、振り込め詐欺事件で詐欺グループとは無関係の男性を誤認逮捕していたと発表した。

 男性は、被害者から現金を回収する「受け子」の男に道を尋ねられただけだったといい、約4時間半後に釈放された。

 同庁幹部によると、今月7日午後、振り込め詐欺の電話があった大田区の50歳代の無職女性宅の付近で田園調布署員が張り込んでいたところ、詐欺グループの男(61)が現金を受け取りに現れたため、詐欺未遂容疑で現行犯逮捕した。男はこの直前、近くの路上で男性と話しており、署員は共犯者の可能性があるとして職務質問しようとしたところ、逃げ出したことなどから、同容疑で緊急逮捕していた。男性は「見知らぬ人が棒を持って追い掛けてきたので逃げた」と話しており、取り押さえられる際に転倒し、顔に擦り傷を負った。

 同庁は「誠に申し訳ない」としており、今後、男性に正式に謝罪する方針という。
(2012年2月11日12時23分 読売新聞)